函館建青会

馬場川高潮対策工事

名称
石崎トンネル式漁港
発注者
北海道庁
所在地
上ノ国町字石崎
建設年
1932年~1934年

石崎漁港の周囲は、旧藩時代から和人地第一の難所として知られた小砂子山道の嶮をひかえ、沿海7里、当時は電信電話もなく、突発する海難に救済の術もない状態であった。村は紺谷村長を先頭に小砂子山道の開削、電信架設と合わせて築港運動を行ない、道庁はこれに応えて昭和7年に着工した。澗内掘削中、石崎川が増水したり、荒天に災いされるなどの難工事であったが昭和9年に完工した。石崎漁港は道庁港湾課長中村廉次の欧米視察による特殊設計(トンネル式漁港)で築港された漁港で、東洋では唯一、世界でも珍しいものである。

トンネルを通って澗内に入ると、館の岬が西北の風を防いで波一つなく、ほとんど外海の影響を受けることがないため、荒天になると汐吹、扇石の漁船は直ちに避難するなど、村内唯一の船入澗として利用されてきた。