松前旧波止場
- 名称
- 松前旧波止場
- 発注者
- 所在地
- 松前町
- 建設年
- 1885年
この旧波止場は、もともと北前船が発着した海岸に、明治8年頃、松前城が解体された際の石垣を利用して造られたものである。その作業には、函館五稜郭を築いた石工職人が携ったと言われている。石積み突堤の周辺には花崗岩の石柱があるが、これは瀬戸内海産の石で、北前船のバラスト材として持ち込まれたものを転用したものである。また、突堤先端には木杭の跡も残っており、当時、和船が係留していたことを偲ぶことができる。この旧波止場付近から松前城に至る地区は、昔、沖の口奉行所(税関のようなもの)や登城坂があったところで、北前船交易によって栄えてきた松前町の歴史を伝える歴史軸となっていて、旧波止場はその土木遺産として大切にされ、また、親水護岸として、新たなる利用の道が探られている。